2022/09/26
梨が美味しい季節になってきました。
梨は「日本書紀」に持統天皇が栽培を奨励している記述があるほど、古くから日本人に親しまれてきた果物のひとつです。
江戸時代になると全国で盛んに栽培され、江戸後期には100種類以上の在来種があったそうです。
日本梨(和梨・以下日本梨と表記)には皮の色が黄褐色の「赤梨」と、皮の色が淡黄緑色である「青梨」の2種類があります。赤梨には「幸水、豊水、あきづき」あたりが有名ですね。青梨だと「二十世紀」などが代表的な品種です。
ぜひ秋の味覚「梨」を食べましょう!
起立性障害(OD)と頭痛②
小学校高学年から中学生の思春期前後の子どもでは、このような朝起きの悪さ、たちくらみ、頭痛、腹痛、全身倦怠などの身体不調を訴えて小児科を繰り返し受診することがあります。
しかし一般的な診察や血液検査では該当する異常を認めない場合、多くは起立性調節障害(OD)と診断されます。
起立性調節障害は、思春期で最も起こりやすい疾患の一つであり、頻度は約5~10%と大変に多いものです。
ODの子どもは、朝起きが悪く、なかなか起きません。一日中ごろごろして、夕方になって元気になり、逆に夜には寝付けません。学校を欠席したり引きこもりがちになるので、最近、注目されています。
このような症状を訴える子どもたちに小児科医が関心を寄せるようになったのは1960年代のことです。
しかし、ODの増加が問題とされながらも、科学的な検査値として確かめる方法がいささか不十分でした。
90年代になって起立直後の数秒間の血圧を測定する検査機器が開発され、目まいや立ちくらみを起こしているとき、あるいは疲労感の身体機能の異変を客観的に評価することができるようになりました。
その結果、一人ひとりの子どもに合った診断と治療が可能になりました。
OD症状の頻度
一部アンケート結果の情報では、朝起きが悪く、午前中調子が悪い」に対して「はい」または「ときどき」と答えた子どもは、小学生で45%以上、中学生では60%前後もいます。
「立ちくらみやめまい」があると答えた子どもは、小学生で約25%、中学生で約45%にも上ります。
「立っていると気分が悪くなる」と答えた子どもは小学3~4年生では約10%にすぎませんが、中学2年では約30%います。これらの症状はとりわけ中学生に多いことがわかります。
日本学校保健会の「児童生徒の健康状態サーベイランス」のODの調査でも、中学生や高校生に多い結果となっています。
しかし、これらの症状は大人になると治ることが多く、軽いODは思春期の発達段階に特有の生理的反応で病的なものではないと考えられています。
また、男女差では小中高を通して女子に多く、平成6年度と12年度の比較では、
12年度のほうが多くなっていて、ODが増加していることがうかがえます。
次回に続く
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